友を想う詩! 渡し場
魅せられ語り継ぐ人々
武内 清
新設:2022-10-13
更新:2023-07-26
ウーラント原作「渡し場」を語り継ぐ人々

略  歴
(たけうち きよし)   1944年~

昭和19年(1944) 千葉県で誕生
昭和38年(1963) 東京都立日比谷高等学校卒業
昭和49年(1974) 東京大学大学院教育学研究科・博士課程中退(教育学修士)
昭和49年(1974) 東京大学教育学部助手
昭和56年(1981) 武蔵大学人文学部専任講師・同助教授を経て同教授
平成22年(2010)3月 上智大学文学部教授・総合人間科学部教授を経て名誉教授
平成29年(2017)4月 敬愛大学大学国際学部こども学科特任教授を経て名誉教授

【専門分野】
教育社会学、学校社会学、高等教育

【主要著作】
『学生文化・生徒文化の社会学』(バーベスト社 2014)
『子どもと学校』(編著 学文社 2010)
『子どもの「問題」行動』(編著 学文社 2010)
「学生文化の実態と大学教育」(『高等教育研究』第11集 2008)
『子ども・青年の生活と発達』(編著 放送大学教育振興会 2006)
『大学とキャンパスライフ』(編著 上智大学出版 2005)
『キャンパスライフの今』(編著 玉川大学出版部 2003)
語り継ぎの足跡-1
ブログ「武内清(教育社会学)研究室」に、平成24年(2012)10月7日、ウーラントの「渡し場にて」と題した記事を掲載し、次のURLのとおり "ウーラントの友を想う詩「渡し場」" を紹介した。
 https://www.takeuchikiyoshi.com/ウーラントの「渡し場にて」/


心に残る詩(歌)があることを、M氏が知らせてくれた。もともとドイツ語の詩のようだが、英語訳で読んでも、日本語訳で読んでも、心打たれるものがある。この気持ち若い人にはわからないかもしれない。高齢者で、親しい友人たちを失った人に、共感を呼んでいるようだ。この詩のことは、昔 新聞紙上でも話題になったらしい。


 The Crossing  English translation by Lawrence Snyder

Many years ago  I crossed this same stream.  There shines the castle in the sunset,  There runs the weir, as always.

And in this boat with me  There were two companions:  One, a friend, like a father to me,  The other young and full of hope.

The first led a quiet life,  And thus did he also pass away;  The other stormed ahead of us all,  And fell in storm and battle.

So if I of past days,  Happier days, dare to think,  I always miss my dear friends,  Whom death has ripped from me.

But that which binds all friendship  Is the finding of kindred spirit,  Those hours were of the spirit,  To those spirits am I yet bound.

Take then, Ferryman, take the toll,  Which I gladly pay threefold:  Two, which cross over with me  Are spirit in nature.


 渡し場で  ルートヴィヒ・ウーラント作 猪間驥一訳

いく年前かこの川を 一度わたったことがある いまも堰(せき)には水どよみ 入り日に城は影をひく

この小舟にあのときは わたしと二人のつれがいた お父さんにも似た友と 希望に燃えた若いのと

一人は静かにはたらいて  人に知られず世を去った もう一人のはいさましく いくさの庭で散華した

しあわせだったそのむかし 偲べば死の手に奪われた だいじな友の亡いあとの さびしい思いが胸にしむ

だが友達を結ぶのは たましいどうしのふれ合いだ あのとき結んだたましいの きづながなんで解けようぞ

渡し賃だよ船頭さん 三人分を取っとくれ わたしと一緒に二人の みたまも川を越えたのだ


[] 本サイト「按針亭」管理人による
上記引用文に記された「M氏」は、本サイト「按針亭」でも紹介している東京大学名誉教授水野丈夫に違いないと推定する。
武内清と水野丈夫は、共に東大卒で、かつ、教育を専門とし、学会などを通じて交流があると思われる。
武内清が当該「ウーラントの詩」の存在を知った時期は、水野丈夫が神奈川県立横浜翠嵐高校同窓会の特別講演で「ウーラントの詩」を紹介した2011年5月21日以降で、武内清が当該ブログ記事を掲載した2012年10月7日までの間の、何れかの日と推定する。
この詩は、4句を1連とする6連であり、日本語訳の七五調詩文では[七音+五音]毎に全角1スペースを置き、連毎に改行のうえ連間に空白行を設けた。
なお、本サイト「按針亭」では、サラ・オースチン Sarah Austin (1793-1867)の英訳詩The Passage を紹介している。
語り継ぎの足跡-2
ブログ「武内清(教育社会学)研究室」に、令和4年(2022)10月7日、「同窓会について」と題した記事を掲載し、その後半で「変わった同窓会」として、詩「渡し場」、ウーラント同"窓"会、および『「渡し」にはドラマがあった』などを紹介した。
次のURLから新しいウィンドウでリンクしますhttps://www.takeuchikiyoshi.com/2022/10/07/

語り継ぎの足跡-3
ブログ「武内清(教育社会学)研究室」に、令和5年(2023)7月23日 「あまりに素敵な「同窓会」(ウーラント同“窓”会)」と題した記事を掲載し、ウーラント同“窓”会有志6人が2023年5月下旬にウーラントの詩「渡し場」が誕生した舞台(古里)である独ホーフェンなどウーラントゆかりを各所に訪ねた記録写真を載せた本サイトの新規ページ「誕生2百年 ホーフェン訪問」を紹介した。
次のURLから新しいウィンドウでリンクしますhttps://www.takeuchikiyoshi.com/2023/07/23/